2011年3月3日木曜日

脛の鍛え方

 フルコン空手をやっている者なら当たり前なんだが、一般人に驚かれることは、弁慶の泣き所である脛が棍棒のようになって、もっとも強力な武器になることだ。バット折りは派手な試割である。

 ある程度脛が固くなってしまえば、バット折りの本数は思い切り蹴りこむスピードで決まる。バットより脛の方が固くなるから、脛が固いバットに当たる痛さというのはほぼ無くなる。が、強い衝撃の場合は脛が多少凹むこともある。

 俺と同じ年代、50前後の奴は、昔「キックの鬼」というキックボクサー沢村忠を描いた漫画で、彼がビール瓶で脛をたたいて鍛えたことを知っていることだろう。

 俺はビール瓶で脛をたたいてみたことは1回くらいしかなく、脛はスパーリングでさんざっぱら痛い目にあいつつ、その内ある程度要領が分かってきたら、街にある標識の鉄柱や金属の足のテーブルなどにコツコツと脛を当てることで鍛えた。脛は、痛いのを我慢して何度も固いものに当てないと鍛えられない。固いものに、痛い!と多少飛び上がるくらい当てると、脛の骨の表面に小さなヒビが入り、そこに骨エキスが流れ込む感じで骨が再生され、より強固になっていく。

 交通標識をよく隠れて蹴っていた。筋肉の打ち身ならばずっと痛いが、骨の場合は数秒で痛くなくなるので、その後また蹴れる。その繰り返しだ。交通標識は細い金属棒であるので、強く蹴ればある程度しなる丁度いい感じだった。これがガードレールの支柱になると太くなり、しなりなぞはないのであまりやりがいがない。木の電柱の表面は金属より柔らかいので、ある程度強く蹴れるのはよかった。ビール瓶で鍛えようとしてやるのではなく、街を歩いているついでに、気がつけばやるということなんで、気軽?である。

 およそ街を歩けば、脛を当てて蹴ってみようというものは色々ある。駅のプラットフォームにある柱も電車の待ち時間に、人気がない場合、隠れてコツコツと脛を当てていた。酔っぱらって帰る遅い時間帯の電車待ちの時間に暇なのでコツコツと。他人が見ると危ない奴と思われることは間違いない。本人は空手の稽古として真面目に脛を鍛えているんだが。

 繰り返すが、脛を当てても数秒で痛みが取れるので、その一瞬の痛みを我慢して何回も気のつく度にやれば確実に固くなり、棍棒のような武器となっていく。日頃の生活の中でちょくちょくやるようにしておけば、回数をこなすことになる。

 50を過ぎると骨がもろくなり、ある時鍛えるつもりで蹴った拍子に折れやしないかと、若干心配なこともある。また昔ほど痛いのを我慢して蹴る気もだんだんなくなってきており、身の回りにある固いものを蹴って鍛える回数はめっきり減った。いい年なんで人目も昔よりは気になるし。

 もし人目を気にしないでよいのならば、空手用のトレーニングなぞはどこでもできる。電車の待ち時間にスクワットをする、道を歩きながら標識や電柱にパンチを叩きこむ、脛蹴りをする、とか。

 まあ、変な世界の住人だ。

本日は昼休みも仕事をする羽目になり、昼トレは無し。
しょーがないからせめて、風呂場で、体洗いスクワット100回、続けて洗髪スクワット50回 をやった。

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