フルコン組手にうまくなる手法を考えてみたいと思う。
反射神経がよくて所謂才能がある人はよいが、小生のように歳をとり鈍くなっている人間がどうすれば組手がうまくなれるかである。
技は上下左右に打ち分けよとか、廻り込むこととか、攻撃されたら必ず返すようにとかよく言われる。それはその通りである。しかしその通りにできないから組手が難しいと思うのである。何故そのようにできないのか?1,2,3パンチや蹴りも入れたコンビネーションも一人で反復練習するときにはまずまずなのに、何故組手になるとうまく出せないのか?受け返しの約束組手はかなりな回数をやっているのに組手では何故使えていないのか?
昔のように千回、万回と重ねると確かに身に着くとは思われるが、今はそんなに地道な稽古をする時間がない。ではどうするか?
自分の使える技の中で、相対的な得意技と言うのがあるはずだ。例えば左の蹴りより右の蹴りが出しやすいのでよく右中段回し蹴りをするとか、右の逆突きには自信があるとか。それはいくつもの技を万回とまでは行かないまでも、日々繰り返す中で自分が最も使いやすいと感じる技になったものである。この得意技の一本は、相手の隙を見つけたらたいがい即座に出せるものであろう。無論相手も受けをするのでその一本では決まらないが、まずはごく自然に出せる技である。この得意技から2本目、3本目の技を組み立てることである。次にはどんな受けをしても自然にこの得意技を出せるようにすることである。
小生の場合は、右の中段回し蹴りと右の逆突きが最も自然に出る。右の中段蹴り→左の上段蹴り、接近した場合は左の膝蹴り、あるいは左のフック。この2本目を自然に出る1本目に繋げて、自然に出るように繰り返し稽古する。できれば3本目もつける。左上段の次は右の下突き、左フックの次は右ローキックとか。3本目になると2本目以上に相手の出方や間合いにより使える技の選択肢が出てきて難しくなる。体が自然に動けばよいがそうも行かない。だから組手がうまくないと悩むのである。もっとも推奨できるのは、右中段蹴り→左上段、左膝蹴り、左フック→右中段パンチ、というように3本目にもう一つの得意技を持ってくることである。つまり得意技1→つなぎ→得意技2、とする。つなぎは単なるフェイントでもよいし不十分でもしょーがない。
受け返しも、ともかく受けるだけ受けて得意技1を出す。それが出せる態勢にしなければいけないが、だいたい得意技であるから出しやすく自然に体運びをしやすいと思う。
以上のことを組手でひたすら試して使えるようにすることが肝要であろう。次には、得意技と言うからには近い間合い、遠い間合いのいずれでも出せるように磨いておくべきである。右逆突きであっても遠間から飛び込むことや上から振り下ろしフック気味に打てること、近場では立て拳か下突きも使えるようにしておくこと。もとより得意技であるから慣れぬ技を無理してやるよりはやさしいはずである。このように得意技を軸にしてコンビネーションや受け返しを考えずにやれるところまで仕立てれば、そこからさらに使える技のコンビネーションは増えてくるはずである。
特に留意することは、繰り返しになるが、相手の隙に乗じて直ちに得意技をまず出せるということ。そしてそこからのコンビネーションを使えるようにすることである。それができるから得意技と言えるのだがこれも意識的に何度も試してみなければ使えることを確認できない。組手で何度も使っていると単調になるかもしれないが最初の内はただひたすら磨くべきである。
小生、先日の組手稽古で発見したことが、上に述べた「得意技から・・・」である。所詮攻撃されて煮詰まった時には、得意技の反撃しか体は覚えていない。そこからどう切り開くかであろう。
次にはフェイントでもいいから1本目の技を入れて2本目に本命の得意技で仕留めるコンビネーションをすることになるが、その時点ではそれなりに組手が上手くなっているはずである。
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