うちの道場には非常にうまくて強い少年、少女達が数人いる。小学の低学年からずっと空手を続けている中学生である。空手の上達と共に体も成長しているから、空手の動きがもう身にしみついている。
フルコン空手の経験年数で言うと小生の方が長い。しかし彼らの方が数段うまい。足が十分伸びて柔らかに腰が廻る美しい上段回し蹴りや、後ろ回し蹴り、なんでそんなに簡単に開くのか不思議になる足刀上段蹴り。組手も十分場数を踏んでいるので、多彩なコンビネーション技や受け返しができる。小さなときから続けるということは凄いもんだ。彼らは空手エリートである。
オヤジ達は同じ年月かけても、あれほどきれいな技は出せない。華麗な上段回し蹴りをするための開脚ストレッチはやり続けて10年近いが、まだ180度は開かない。少年達もすべて180度開くわけではないが、よく足が上がるのは動的な柔軟性があるからだ。小生は5分くらい時間をかけて徐々に開く静的柔軟なら結構開くようになったが、動的には大きく開かない。また開くのが静的柔軟でよく開いている一方向だけであり。股関節の周りをまんべんなく柔らかくできてはいない。
柔軟ほどまじめに高みを求めれば苦痛であるものはない。時折痛いのを我慢して今までの限界値を超えようとするが、顔が苦痛で歪み脂汗がにじみ出る。本当は毎日限界を超えることをしないと伸びないんだろうな。
うまい少年たちを前に指導することがあるが、こっちが教えてもらいたいくらいだ。
「前蹴上げは腹筋の筋力を用いて上げる」と指導して小生はやりつつも、歳なもんでよくふらつく。平衡感覚も歳取ると悪くなるんだろう。彼らは安定して美しい形で前蹴上げを行う。指導もくそもなく、小さい頃からやっているので体が覚えているし、必要な筋肉はすでに作られているということだ。連続前蹴上げも素早くきれいなもんだ。オヤジは連続になると遅いし、余計にふらつくことが多くなる。
少年達よ、どんどんうまく強くなれ。オヤジはオヤジで君等からも学ぼう。時として咬ませ犬になってもよい。それはそれで実力の世界だ。
はて?俺はいつから空手に精神性を求めなくなったんだろうか。
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