- 準備体操
- 基本稽古: 正拳突きから手刀、後ろ金的蹴りも含めたフルの基本技をやる場合もあったが、普段は正拳50本、裏拳各20本、金的蹴り20本、前蹴り50本、三日月蹴り50本、関節蹴り20本と言った代表的技をやることが多かった。
- 補強: 二人1組で。腹筋100回、背筋50回、首を寝転がって前後左右各10回
- 柔軟: 閉脚、開脚その他:二人1組
- 移動稽古: これがたっぷりとあり大変苦しかったのを覚えている。大学の武道場は広くて片道が長い。前屈3往復(移動のみ、順突き、逆突き)、しこ足3往復(同じく)、猫足3往復(移動、前蹴り、後ろ脚からの蹴り)。以上がよくやったパターン。時折、三戦(突き、蹴りも入れて)、沈み込んで斜め前に前屈で突く移動のパターンもあった。
- 小休止
- 型 (時折やったと思う)
- 実践技一本: 移動を伴う、順・逆突き、一歩出て順突き、前蹴り(後ろ足にて)、一歩出て前蹴り
- 実践技連続: 1,2パンチ。1,2一歩おくり前蹴り。前蹴り・順突き
- 約束組手: 順・逆突き、前蹴り(前足、後ろ足)に対する計4種の返し技
- 自由組手
- 補強: 拳立て50回、スクワット100回以上
- 整理体操
まだ練習中に水を飲むことを禁じていた時代である。小休止中には我慢がならず、トイレに行くようにしてトイレの水道の水をがぶ飲みしていたもんだ。一度同輩が脱水症状で救急車で運ばれたこともあった。今から思えばよくその一度だけで済んだものだ。皆もトイレで水を飲んでいたに違いない。大学4年、夏の全日本学生選手権の試合の時にポカリスウェットの販売促進として試合会場にて無料で配っていたのを覚えている。その時分からしだいに適当な水分補給が必要であることになったようだが、水を飲めば済むところを、わざわざ高い金を出してそのような飲料を飲む意識にはまだ至ってない時代であった。小生はずっとトイレの水道で水をがぶ飲みしていた。水は飲んでも飲んでも喉の体の渇きがすぐには治まらぬが、かの飲料はよく渇きに効くことを今は実感している。
1回生の頃は非常にしんどい練習であったが、さすがに2,3回生となると慣れてきた。またよくも似たような練習メニューを飽きずに繰り返していたとも思う。
当時の空手道部で最も大事なことは「気合」である。次に「腰を落とすこと」。練習の終わりに正座して黙想の後、先輩方が一言言うのであるが、上の二つがたいてい入った。「今日は気合が足りなかった」とか。練習中も頻繁に言われる。「こりゃあー、もっと気合出せい!」と。移動稽古では必ず「こりゃあ、もっと腰を落とせ!」である。己が上級生になってもこれはよく言った。「気合」とは腹から出す声である。空手では「セイ!」、「おりゃ!」とかの声。もっと技本体の指導があって然るべき所なのに、たいていの指導が上の二つである。無論後輩へは適度に技を教えるが、だいたいにおいて30年以上前の空手道部、プロの師範がいない部活動では科学的な技や動きの説明は乏しかった。うまい先輩方の形を真似することが大事であった。
「気合」と「腰を落とす」ことは基本中の基本であり、今は割合納得している。「気合」とは声であるが、声を出すことによる一心不乱の集中力である。「腰を落とす」ことは下半身の鍛錬に最も必要なことであり、スムーズな動きと技に力を合理的に伝える基本である。フルコンタクト空手をしている今はある程度腰を高めにしフットワークを用いることが多いが、それでもその動きの安定性にかつての腰を落とした移動鍛錬が効いていることを実感している。
練習が終わると道場の前のコンクリートの階段に座りまず一服。それから自動販売機のある生協の建物まで行ってコーラをがぶ飲み。そんな風に毎週毎週練習して過ごした。よく同輩連と連れだって飲みにも行った。飲みながら延々と空手の話、よくも飽きずにやったもんだ。強くなることを求め真面目に求道していたから、飲んで馬鹿笑いしながらもほとんどは空手の話だった。だいたい男ばかりだから人のうわさ話なぞはしないし、学部が違う連中だから勉強の話もしない。女の話を時折少々し、後はほとんど空手とその精神性による生き方の話だった。ただ残念ながら話の内容をほとんど覚えていない。「強くなるぞ、強くなる為には」と話していたことは覚えている。まあ、同じようなその繰り返しだったのだろう。
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