2012年10月29日月曜日

空手家の、空手をしないが活動的だった週末

 
 先々週の週末の話。気の置けない仲間達とボタリングした。ボタリングとは、自転車でブラブラ散歩するようなものだ。

谷中の古い酒屋
三四郎池
出発は日暮里駅。そこから谷中墓地をめぐり谷中散歩。墓地では徳川慶喜公の墓にまいった。谷中の散歩道は昭和40年前後の風情を感じる所もあり、懐かしい。保存されていた古い酒屋を見物。向いは木造民家の珈琲店だった。2階の木窓からお客さんが見えるのも40年代のハイカラか。その後ボタボタと自転車を漕ぎ東大の本郷キャンパスに入る。構内をブラブラしつつ三四郎池で自転車を降りて池の前に立った。御年配の写生クラブの人々が、池の周りで絵を描いている。皆さん上手い!覗き見しつつ池を一周した。三四郎池、周りからは別世界のようなゆったりとした時間が流れる。でもかなり淀んでいたな。鯉はそういう所でも何事もないように泳いでいた。

 「もういい加減一杯ひっかけたい」と、上野公園界隈を通り、そそくさと浅草の「神谷バー」に向かった。

 神谷バーは日本で最初のバーである。そうなるとたいていの場合、重厚な趣を創り敷居が高くなるものだが、まったくしょっていることはなく酒も料理もリーズナブルと言うか、むしろ安目の値段だった。店内は大衆食堂のようにテーブルが並べられていて、ホテルのバーを想像すると大間違いだ。大変混雑していて相席を求められる。今時相席してくれというのも非常に珍しい。レジのお姉さんは並んでいる客に極まり文句のように「相席ですよ」、と言う。それがごく普通の庶民バーということでもあるし、名所に数えられている所だから、混んでいてもともかく入ってもらおうということか。相席すれば初対面の人とも話す。地元の御老人の隣に座り、他愛のない会話をした。客層も年配の方が多く、ながーく愛されていることが分かる。まあ日曜の昼下がりにバーが繁盛して、老若男女が飲んでいるのが何とも平和でよい。「ある時来なくなるんだよなぁ」と御老人。少し寂しげに言った。

 御老人は牡蠣焼きを食ってくれと残して帰った。ちゃんと食す。そうせねばならない気持ち。次に来た相席の御老人は、焼き鳥とポテトを食えと言って渡してきた。友人の一周忌の帰りに寄ったが、自分はそこで馳走にあずかり、料理を注文してみたが腹に入らないとのこと。これもきっちり平らげた。自分達で頼んだツマミも食ったから、俺はかなり腹がふくれてしまった。ビール大生と中生、それに電気ブランを飲む。

 神谷バーでほろ酔いになった後、仲見世、浅草寺を歩いた。秋晴れの日曜で大変混雑。界隈の商店街も散歩しつつ、自転車を停めた所に戻った。そうそう、その途中に有名人の手形がある歩道も通った。ハリウッドの二番煎じなんだけれど、無理やり名所を作ろうとする浅草は下町のど根性だ。いいんじゃないかい。

 自転車に乗り、東京スカイツリーに向けて、隅田川の川べり遊歩道をタラタラとこぐ。スカイツリーをバックに撮影するアベックや家族連れ多し。スタイルよくて奇麗な、モデルのような女性を撮影していた初老の紳士は、父親なのかそれとも?
富士と夕日とスカイツリー

  東京スカイツリー、ソラマチに入る。大変な混雑。スカイツリーに上るのは最初からあきらめていて、隣のイーストタワービルの31Fに上った。そこのラウンジでまたビール。富士山とそのすそ野に沈む夕日が望める極上の風景であった。が、写真をパチパチ撮ってしまい、極上の時間を噛むように過ごした訳ではない。ちょっともったいなかったね。タラ―として何も考えず風景を眺めてもよかった。

  午後5時で追い出されて、ソラマチに降りる。もうこの辺になると酔いと疲れでダレてきている。スカイツリーの点灯が始まった。こりゃ写真撮るべしとまた川向うに移動した。隅田川を屋台船が渡り、スカイツリーは遠慮気に光っている。ここでまた飲んでもよい景色だった。

 さて、そろそろ帰る時間だが、あっさりと帰るのも仲間の集いとしては惜しく、せっかく来たから晩飯を食った。下町はやはり寿司だね、回転寿司。マグロを売り物にしている店でありかなり旨かった。 中生をさらに2杯。腹がそれ程減っていた訳ではないが、それでも寿司は案外腹に入る。満腹になるまで食べた。自転車、写真、ビール、回転寿司。いつもの仲間であるが、そう言えば話をあまりしなかったねぇ。動くのに何かしら忙しかった。

 忘年会はボタリングではなく、じっくり飲んで話でもするか。

0 件のコメント: