最初TVで観た時、小生も非常に不愉快であった。あんな横柄な態度と言い方はない。大臣だからと言ってあそこまで威張っていいものではなかろう、と。
ただその後、小生の尊敬というか、畏敬している藤原新也氏のブログを読んで、確かにそうだよな、と頷いた。
氏のポイントは幾つかあり、氏自身もその場にはいない故にある程度の推測も入るが、
- あの横柄な場面の前には、実際的な議論があったはずだ。あの場面だけを切り取って流すマスコミはむしろ危険である。
- 彼は旧知の宮城県知事にモノ申していた。その二人の関係ではあのような言い方も成り立っているのかもしれない。
- マスコミ受けし、またニュースとして流れて国民の共感を得る人は、「感じのいい人」しかいない。しかし、「感じのいい人」が国を導く政治ができるとは限らぬ。むしろその逆の方が多い。
- しかしさすがに彼が最後に言った、これを流すとその報道会社は終わりだ、の言は、彼の気負いに自身が飲み込まれたようで、よくはない。
- 時間通りに来る宮城県知事は「いい人」なんだろう。しかし漁業権に関して、最初から知識人を入れて政治を行うのは、現場の地方自治をむしろ軽視していないだろうか。(これはある人の意見、藤原氏の論点はもっと手厳しい) そういう点では「(被災地である地元ときちんと話して)コンセンサスを得ろ」の復興担当相の言は正しい。
この日本と言う国の危うさは、受け入れやすい「良心的な」意見が出ると、すべてに近い国民がそっちの方に向いてしまうことである。「良心的」ではないが、その右へ倣え的賛同でもって、中国侵略や太平洋戦争が起きたと思う。前にも述べたことだが、今や何人もの総理さえも糾弾してポピュリズムの道を走れる日本と言う国は、ある意味、民主主義がもっとも実っている国であろう。人気で、雰囲気で、そして確かに多数の下で道を決めている。
そんなことを考えたこともあったのだが、今回の松本大臣の言には小生もこりゃだめだと思ってしまっていた。が、畏敬する藤原新也氏の文を読んではっとさせられた訳だ。我々は自分の頭で、きちんと判断しなければならない。物事の本質は、表面的な事実を伝えるマスコミの中にはない。日本のマスコミは、昔を反省して常に反権力の姿勢でニュースを伝えているのであろう。それはそれで正しいと思うのだが、そういうことでもあると認識して、自分の頭で考えることである。
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