2012年12月18日火曜日

空手家の政治の話

 衆議院選挙が終わり、自民大勝、民主惨敗、維新とみんなの党が躍進した。停滞する世の中で、国民の多くが景気回復を挙げ、安倍さんが口先で円安、株価アップに繋げたことが結構アドバンテージではあったが、どうのこうの言っても政権にあった民主の失政である。

 空手家もたまには政治を論じてもよいだろう。

 下野した期間に変わったとも思えない自民の政権ができるが、選ばれた限りはよく考えてしっかりやってもらいたい。小泉改革以降、政治は常に内向きになってしまったし、マニュフェストで懲りた民主を始め、各政党は昔ながらの後で色々言われないような漠たる公約を述べた。しかもそれがすべて内向きであり、国民への飴がこれまた多い。甘言を弄して選ばれるのは世の常だ。いつも使われる言葉であるが、「この激動の世界情勢の中」我国は如何にして富栄え、また国際社会に貢献して行くのか的な、外への気概がどの候補者からも聞こえなかった。小選挙区になり政治家個人よりも党が強くなり、その管理の下では個人の気概も出ないんだろうね。我々皆小さい人間になってしまったのかね?

 維新の会は賑やかであるが、それでも統治機構を改革すると言う内向きの施策がまずある。その手法で以て何を生んで行くのかの100年の大計が欲しいよね。

 原発事故があった。私は原発を即時ゼロにする策を何とか考えるべきであると思う。そもそも国家は国民を守る為にある。約6万人(だそうだ)の原発避難民を出して、それでも原発を続けるのか。6万人の国民の日常を守れなかったことをどうするのか。

 原発がないと停電が起きる?この1年9カ月、夏が2回過ぎ冬も2回過ぎようとしているが、停電は起きていない。無論節電の努力はある。大事なことは我慢したらできたことだ。原発で安い(?疑問だが)エネルギーを供給しないと日本の産業の国際競争力は無くなると言い、国内では生産に金がかかり物価高になるのだろう。そう言えば総括原価方式も御立派に値を上げている。が、今は物価高どころかデフレをどうしたものかと言っている。国際競争力と言うが、競争にさらされている屋台骨の日本の大企業はもはや堂々たる多国籍企業である。ずーっと前から国内の産業基盤を離れてしまっている。国内は何とか雇用と研究開発の側面で成立させたいとひたすら努力をしているんだが、企業の収益構造は実際、かなり前から海外が主力である。海外活動で競争力維持できない企業は、たとえ電気が安くなろうがそう長くはないと思う。日本独自の特産品で生きる企業は、多少生産に金がかかったとしてもその独自性や高品質を追求すれば生きる道はある。独自、高品質、だから多少高くたって1200兆円の国民資産は、買うものだ。

 原子力を持つことは国防上必要だとの意見がある。当たり前だが唯一の被爆国の日本は核武装をしてはならない。広島で16万人が死に、長崎で14万人が死んだ。こんなことを2度と起こしてはならない。まっとうに核兵器廃絶の運動を使命として執念で続けなければならない。もし日本が核武装をしたならば、世界は唖然とするよね。そして日本までも核を持つんだから、きっと来るに違いない動乱の世に備えるべしと軍拡が始まる。こんな世界はいいわけないわなぁ。

 高濃度放射線廃棄物は10万年の保管を要する。10万年の設備は人類史上今だない。放射性廃棄物処理の技術開発こそ我国ができればよいと思う。

 この選挙戦、原発問題は3番目か4番目くらいの争点だった。景気、外交、消費税、TPPの中にあった。

 もう一度言う。国家は国民を守る為にある。6万人を故郷から離して、原発を維持することで1億2千万人のエネルギー基盤と生活を守っていると言うのは全くの詭弁だ。それは政治が何もしないにも拘らず、1億2千万人が今まで通り勤勉に働いているからちゃんと居るだけのことだ。先に起きた具体的な体験に国家として、実際的かつ哲学的にもきちんと対処しないと政治ではない。

 0増5減を成立させ、「身を切る改革」として定数削減を民主、自民、公明が早期にやることの約束を求めてから、野田総理は衆議院を解散した。マスコミは相変わらず踊ったが、これは増税を課してしまった男の矜持であると思う。大勝した自民は果たして真面目に取り組むのであろうか。これを真面目にやるのかどうかを政治への信頼の尺度としたい。大勝して自公で3分の2の議席を占めた今、現状維持としたいのが本心であろう。衆院の定数削減を完了すると、それじゃあ新しく定めた憲法違反でない定数と区割りでもう一度選挙すべきだの声がでる。そんなことは自公、やりたくはないよね。しかし信頼できる政治はそれをやるべきだと思う。それでこそ選良達である。

 安倍政権にはやりたいことをきちんとやると腹をくくっていることを期待したい。飴ではなく大計を述べる中で、明日への希望の、形あるコトを成してもらいたい。時間はあるようでない。定数削減したら周知期間をおいた後にさっさと解散だ。失政で以て大勝なんて仮の姿である。自らを存続させる技ではなくて、善きことを成せる知力と行動を示して次の世代の見本となることを。彼らが志を持せるように。我々は我々を信じたい。

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