2012年12月3日月曜日

梅酸も酸味 敗戦もまた酸

 梅酸も酸味
 敗戦もまた酸
 同じからずといえども似たり
 心舌を超えて甘し

 魏の曹操孟徳が大敗北の時に吟じた詩である。

 こんな風に格好よく、超絶して詠めるのならよいが・・・

 
 はぁー、大きな悔いの残る敗戦だった。俺は空手が下手である。試合では技も何もなく押し合いをやってしまった。何の為に技を練習してきたのか・・・はぁ。

 本番に弱い。昔は強かったような気がするんだが、やれやれ。心の余裕がないもんだから闘いながら考えていない。本戦で引き分けたが、こっちが下がることが多かったなら、延長では戦法を変えんとイカン。

 反省して次につなげなければ。

 組手ではジグザグに動かねばならない。重い相手が前に出てくるのを止めようとしても止るものじゃない。いくらパンチを打ってもガタイのどっしりとした相手に拳サポータつけてのパンチはそうそう効かない。今回の敗因はもろに真正面から押し合ったこと。俺もガタイはあるんだがどうも前へ出る力を利用するのが下手でしょーがない。出てくる相手に間合いを取ろうとしていると下がることになった。パンチ力はあると思うんだがアドレナリン満載の相手を下がりつつの一撃で倒せるものではない。左斜め前方に出て右のミドルを思い切り蹴り込むとか、右に一歩進めて左ミドルを蹴るとか、ジグザグの動きの中で技を出せるようにならんとイカン。今回思い知った後で頭に植え付けるのは、ジグザグに動きながら攻撃するということ。動いてないと脱力した攻撃も出ない。踏みとどまったその場から力んだ技を出しても駄目だ。

 前に出るということ。腰を引いてパンチやキックをやっても駄目。足を進め腰から前に出るように身体の使い方を直すこと。「重力利用の空手」にハタと手を打っていたんだが、それもすっかり忘れていた。重力利用は少なくとも重力を利用して前に出ることだ。

 明日からは・・、斜めに出て膝蹴りとミドルをこれから集中的にやろう。間合いが詰まった時には前には出られないが斜めには出られるはずだ。特に近距離を制する膝蹴り。

 また短い試合時間ではあるが、幾つかの技を繰り出してどの技が相手に効くかを観ながら闘いを組み立てられるようになることも大事だ。ただこれはもっともっと組手慣れしないと無理ではある。

 圧倒的に強い人は多い。捲土重来を期すと言ったとしても俺のレベルだけの話。もっと強い世界に挑戦する気持ちを持って言っている訳ではない。マスターズと言う俺の出場クラスにおける話だけだ。はるかに強くて怖い世界を今日さんざぱら見てきた。あの猛者連中の中で、年をとっても強い空手があると言う宇城憲治氏の理論は・・・はたして信じられるのだろうか。達人の境地の氏の理論は理論として理解できるだけである。実践に繋げるには。

 何度目かの、はぁ・・・。しかして53歳の俺はどこに行くんだろうねぇ。だがなぁ、この落とし前はつけねば。今日の試合は練習していたことを全て忘れた試合だった。これからも日々の稽古と思考を地道に続けることしかないんだが、しばらくは唯ガックリに浸る。

 先日の試合に負け、多くを感じて多くを述べたが、その、多くのみの雑文悪文になった。上に書いたことは当たってはいるが、深くにあるであろう本質には届いていない。本質は冒頭に書いた曹操の詩であるかもしれない。

0 件のコメント: